東京のたい焼き ほぼ百匹手帖

2014年08月31日

ひとくち茶屋 仙川西友店【仙川@京王線】

     
 
たい焼きを買いに仙川に来た。

改札を出ると目の前には桜の古木。
すかさず右に折れて進む最初の十字路を左折すると、
直ぐ目の前に見える西友仙川店。
その視線の手前にあるのが「ひとくち茶屋 仙川西友店」。

西友仙川店の敷地内にデンと構えた店舗は、
仙川商店街メインストリートに面し、
三間位のタップリの幅で存在感豊かに佇んでいる。

店舗上部の杉皮屋根を模した軒に掲げた、
少しくすんだ黄金色の地色の看板には、
平仮名で「ひとくち茶屋」と記されている。
先に訪れた幡ヶ谷の店舗は漢字で「一口茶屋」。
一方ココ仙川は平仮名で「ひとくち茶屋」。
イメージカラーも幡ヶ谷の青に対して黄金色。

とは言え扱う商品といえばほぼ同じで、
軒下の商品写真は“たこ焼き”“モダン焼き”それと“薄皮たい焼き”で、
青い「一口茶屋」と黄金色の「ひとくち茶屋」の違いは皮。
平仮名の「ひとくち茶屋」の取り扱いは、
店頭脇の幟にもシッカリ記された“薄皮たい焼き”で、
その上遠目からも判る程の立派な羽根が付いている。

開店直後とはいえ店頭に置かれた保温ケースには、
ズラリとたい焼きが並んで購入の時を待ち構えている。
今現在、長い店舗内には従業員はおねえさんが一人、
右へ左へ行ったり来たりと大変ご多忙の様子。

兎にも角にも先ずは注文をする為に、
茶色の日除けが延びた会計口へと足を運ぶ。
往来に沿って焼き型や調理場が並ぶ店先は、
調理途中の取り扱い商品全てが並ぶ壮観な眺めで、
向かって左手には焼き型に横たわるたい焼き達。
そのすぐ脇の保温ケースと会計口を挟んで並ぶ鉄板上に、
お好み焼きが隙間なく並び多種多様な具材を乗せ待機中。
そして、その右横にはたこ焼きが全ての穴を埋め尽くす。

それをたった独りで作り上げるおねえさんは、
会計口に突っ立っている客に気付いて、
笑顔と明瞭な口上と共に会計口にやって来た。

早速に注文をお願いする。
おねえさんが保温ケースからたい焼きを取り出し箱に詰めて行く。
その間に客は白いタイルの店内をぐるりと見渡し、
鉄板上のお好み焼きに乗る干瓢状の物体の正体究明に勤しみ、
それが乗ればお好み焼きはモダン焼きに姿を変えると推察する頃、
おねえさんは商品の準備を完了して会計口に。
急ぎ料金を支払い荷を受け取って礼を述べた後に店舗を離れる。

さて、日曜朝の商店街と云えば多くは“朝市”と称して安売りをする。
ご多分に漏れず仙川商店街でも実施されていて、
細い路地端で野菜や加工食材を並べて売られ、
その周りには当然人集りが出来る。
近隣の駐車場などは格好の交流の場となり、
其処彼処で互いの戦利品を見比べて半分コに勤しむ姿もチラホラ。
そんなオバちゃん達の傍らで急ぎたい焼きを取り出す。

硬質の羽根を周囲に纏う色白の薄型たい焼きは、
一つ一つ丁寧に紙で包まれて、
宛ら書類ファイルの様に箱に納められていた。
そのファイルを一つ取り出して先ずは羽根を一齧りすると、
パキッっと容易く軽やかに割れ砕けてゆく。
それを奥歯でサクサクと噛み砕いて本体の皮に突入する。
外側についた焼き目がカリカリと歯に当たった後に、
内側の生地がモチモチと奥歯を押し返す。

程よい厚さの薄皮を堪能したら次は餡。
シッカリと口内に張り付く様に甘いが後味はスッキリ。
出来立ての熱を保持したままで瑞々しいく、
十分に小豆の存在感も堪能出来る造りになっている。
その粘度で零れ落ちる事無くたい焼き内で保持され、
食べ進める度に適量を提供して皮のお供として口内にやって来る。

適量でも熱々の餡を食べ進めるのは容易な作業では無いので、
じっくりと食べ進んで行くのが自然の成り行きとなる。
オバちゃん達の注目を軽く浴びながらも食べ進めれば、
やがて尾びれの先に辿りつき最後の羽根を噛み砕く。
サクサクと高らかに鳴り響かせながら食べ終える頃には、
オバちゃん達の姿は無く只一人佇む路地裏。
岐路に着くべく商店街に引き返すと、
「ひとくち茶屋」の保温ケースには銀色の包装紙につつまれて、
お好み焼きが次々に並べられてゆく。
その作業に勤しむおねえさんの手付きは当然に丁寧であった。

価   格○小倉 120円
住   所○東京都調布市仙川町1-11-18

営業時間○10:00〜21:00
 
   
  
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2014年08月24日

ピーターパン恋ヶ窪ドイト店【恋ヶ窪@西武国分寺線】

     
 
たい焼きを買いに恋ヶ窪に来た。

改札を出たら左折して都道222号線へ。
さらに左折して踏切を渡って最初の右折路を行けば、
そこは農地を突っ切る舗装道路。
突き当たるまで進んで左折の後に右折しても、
さらに続く農地の中道を行く。
やがて見えてくる府中街道の角に見えて来るのが、
ドン・キホーテホームセンター恋ヶ窪店 。
その中に「ピーターパン恋ヶ窪ドイト店」はある。

ホームセンターの一画に佇むフードコートは開店時間前。
店舗周囲には数か所の飲食スペースがあり、
その数多の卓には疲れ切った様子のおじさんが数名、
椅子に身体を埋めてスポーツ新聞等を読み耽る。

それを見守る薄暗がりの店舗はぐるりと網で囲まれ、
通路に面した保温ケースを設えた会計口側に明かりは無い。
一方おやじ共が憩う飲食スペース側は調理場が一望出来て、
その店舗内ではおねえさんが一人黙々と焼きそばを焼いている。

やがて遅れてやって来たおにいさんが店舗周囲の網を外し、
店舗上部に掲げた「PETERPAN」の看板に明りが点る。
それに呼応して店舗を光が覆い周囲を照らし始めれば、
それが「ピーターパン恋ヶ窪ドイト店」営業開始の合図となる。

すると待ち構えていた様に方々からワラワラと客が集まる。
ショッピングセンターという場所柄、
それはジョージ・A・ロメロの世界の様。
その客達を僅か2名の人員で立ち向かって行く様も、
ジョージ・A・ロメロの映画を彷彿とさせる。

そんな事を考えながら購入者の列に並ぶ。
店舗の取り扱い商品は多種多様で、
粉物、焼物、麺類、丼物、飯物、氷菓等までに及ぶ。
その品数に圧倒され感心しながらも、
調理場に設えたたい焼きの焼き型を見る。

小倉を抱えて焼き型に数尾のたい焼きが横たわる。
保温ケースにはモダン焼きの銀の包みと数尾のたい焼き。
小倉の列には3尾。
前に並んだおばさんの順番になり5尾のたい焼きを注文。
店員のおにいさんは申し訳なさ気な説明によれば、
たい焼きの焼き型の熱の調整に時間が掛かる為、
焼き上がりまでは最大20分位は待つ事になるそうだ。
おばさんは暫く思い悩んだ末に了承して会計。

次いで順番が巡り同様にたい焼きを注文する。
同様の説明を受けるが即座に了承後、
会計を済ませて番号3番の引換券を受け取る。
先ずは20分の時間を潰す方法を考えるが、
幸いに暇を潰すのには全く困らない場所である。
併設されたスーパーマーケットにドラッグストア、
それにディスカウントショップをふらりと巡っても時間が余る。

ペットショップのケヅメリクガメを十分堪能した後、
フロア中央の吹き抜けの青いベンチへ。
その傍らでペット専用カートに乗せられ、
主人の帰りを待つ柴犬の後頭部を眺めながら、
残りの時間をやり過ごす事にする。
そして20分後。
満を持してやって来た「ピーターパン」の店先で、
高らかに呼ばれる引き換え券番号3番。
出来立ての甘い香りが零れる袋を受け取り礼を述べる。

一先ず先程の青いベンチに引き返すと少年が一人、
柴犬と親しげに触れ合いながら腰掛けている。
浮上せんばかりに回転する尻尾を眺めつつ、
その傍らのエスカレーター下に並ぶキャンプ用品と、
マネキンが横たわるハンモッグの脇でたい焼きを取り出す。

柔らかい皮に指が埋もれて、
焼き立ての熱が指を縦横から包んで行く。
熱さから逃れる為に縁の部分をつまむと、
今度パリッとしたバリの部分が指の腹に食い込む。
両極端の触感に立て続けで見舞われ、
アタフタと持ち手に苦慮していると、
ソコに今度は餡の加重と熱が伝わってくる。
見た目は平凡な色白のたい焼きだが中々の曲者である。
などと、ようやく手の中で落ち着いた姿を眺め思う。
先ずは一口。
薄い焼き目の食感を掻き消す怒涛の柔らかさが口内に弾む。
それに伴って甘い香りが口内を充満する。
紛れも無い動物性タンパク質の芳香が皮の中から漂う。
真っ先に思い当たるのはパンケーキ。
しかしそれは生地の質だけの話では無い。
皮の至る所に見受けられる厚い部分の色と断面の様子が、
まさにパンケーキの様である。

餡は中央部分にズシリとある。
尾びれ先までシッカリと詰まった餡を、
この手のたい焼きに求めてはいない。
背骨の様にしっかりと中央に納まっていればそれで良い。
皮と餡の分量は半々か若しくは皮の方が多いかも知れない。
だからこそのこの皮の食感が重要であり、
フワフワで軽い食べ心地の皮が重くならずに、
餡との絶妙のバランスを生み出す。

そうは言ってもこの餡も中々のモノ。
全体にネットリとしているが、
豆の感触もシッカリ残った滑らかで丁寧な造り。
甘さも食感も風味も全てひっくるめて、
小豆の餡である事の必要最低限の姿を保って、
総じて柔らかなたい焼きの中心にシッカリと存在している。

フカフカのたい焼きを食べ終える間際、
縁部分に突出したバリが軽やかな歯応えで砕けると、
口内を満たしていた空気を一変させる。
不意にサクサクとした食感が恋しくなって来て、
口寂しさも相まって自然と2尾目に手を伸ばしてしまう。
これは意外と魔性の性質を秘めたたい焼きなのかもしれない。

価   格○小倉 120円
住   所○東京都国分寺市東恋ヶ窪5-6-3
       ドン・キホーテホームセンター恋ヶ窪店
営業時間○11:00〜20:00
       不定休(ドン・キホーテホームセンター恋ヶ窪店に準ずる)
 
   
  
posted by EY at 22:25| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 国分寺市のたい焼き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月17日

天狗茶屋 清瀬店【清瀬@西武池袋線】

     
 
たい焼きを買いに清瀬に来た。

北口に向かう。
大手スーパー2階に直結のペデストリアンデッキに至る手前、
左折して階段を下りれば駅前ロータリーに出て右折。
ズラリ建ち並ぶ店舗の一画に「天狗茶屋 清瀬店」がある。

真正面から店舗を捉えれて見ると、
ロータリーに面して2つの天狗が並んでいる。
同等に2分割された一方は歩道に直に面していて、
陽光を反射して輝く瓦造りの軒が歩道に迫り出している。
通りに面した正面ガラス窓には紺色の暖簾を提げて、
総じて和風の落ち着いた印象を醸し出しながら、
尚且つ明るい印象を失わない店頭の造り。
ソコににドッシリと「天狗茶屋」の居た看板を頂き、
更にその軒の上にある建物壁面に青い看板を設え、
シッカリと“たい焼・たこ焼”と記してある。

一方、もう半分側にも同様に掲げた看板は地を墨色に塗られ、
クッキリと“らーめん・つけ麺”と記してある。
その看板の下は奥まった造りで陽光が十分には届かず、
薄暗がりの中で白い暖簾と白木の看板が浮かび上がり、
そこに記された「天狗麺房」の墨文字を引き立てる。
入り口のガラス扉奥の店内は薄ボンヤリと明りが見え、
夏の強烈な陽光に抗えないままガラス扉に、
只々漫然と外の景色を反射している。

陽光を浴びて輝く「天狗茶屋」と陰りの中に佇む「天狗麺房」。
印象深い対比は光と影、
若しくは陽と陰となって通りに映える。
そして一帯を陽の「天狗茶屋」の波動が浸食してゆく。
こうなると幟を何本立てようとも覆すのは容易ではなかろう。

その上「天狗麺房」の店先は「天狗茶屋」関連の装飾で固められ、
「天狗麺房」へ赴くには「天狗茶屋」の支配下を通り抜けるハメとなる。
出入り口へ至る道筋の両脇には縁台が置かれて、
恐らく“たい焼・たこ焼”の焼き上がりを待つ客の為、
あるいはその場で食べる為の配慮の一環と見て取れる。

多大な寵愛を受け輝く「天狗茶屋」。
それ傍らで静かに佇む「天狗麺房」。
昭和文学に在りがちな姉妹像の様な境遇を勝手に想像して、
天真爛漫な妹といった風情の「天狗茶屋」へ赴く。

購入窓口は「天狗麺房」の出入口方面で、
エントランス的ともいえる空間にある。
そちら側もガラス窓に紺色の暖簾が提げられている。
会計口には保温ケースが設えられてあり、
その上部に開かれた窓越しに注文のやり取りを行う。
既に保温ケースには各種たい焼き達が寝そべっている。

店内の調理場ではズラリ並んだ各種焼き型の前で、
おねえさんがたこ焼き造りの真っ最中。
素人目にも判る程の手際で次々と丸い物体が製造されて行く。
そんな光景に見とれているとおねえさんが、
お決まりでしたら承りますと声を掛けてくる。
たこ焼きに付きっ切りのおねえさんを見遣りながら、
お言葉に甘えて取り敢えず注文をお願いする。

はい少々お待ちください。
と、「天狗麺房」に繋がる調理場の奥から、
数多並ぶ銀色の設備や器具が造りだす暗がりの奥から、
銀色の御髪のおばさんがユラリと現れて返答する。
銀色の空間に佇む銀髪のおばさんの立ち姿は、
まるで映画で観たステルス迷彩の様だった。
ニッコリと微笑んだおばさんは、
悠然とたい焼きを袋に次々詰め始める。

待ち時間を埋めるべく辺りをぐるりと見渡す。
控えめな氷の吊下旗がクルクルと回る軒先。
反対側の壁に吊るされた懸垂幕には、
3項目の“おいしさの秘密”が記されてあり、
別に記された“あんこ一徹”の文字に期待が高まる。
しばらくして用意された商品を受け取り、
おばさんに代金を支払い重ねて礼を述べて店を後にする。
その頃には店先にはたこ焼きの芳しい香りで溢れていた。

ズシリと重いたい焼きを抱えで行き着いた先は北口階段脇。
階段と交番との間に空いた隙間。
そこにあったちょうど良い高さのコンクリート。
そこで荷を整えながら一休みする。

早速に取り出したたい焼きはふんわりと柔らかい。
“おいしさの秘密”によれば玉子と蜂蜜をたっぷり使ったとの事。
甘く柔らかな馴染み深い香りが袋の奥から立ち込めてくる。
焼き上がりからどれ程経過したか判らないが、
これは焼きたてもそれ程変わりが無い様な皮の触感である。
その事は“おいしさの秘密”に記載された項目にも明らかである。
時間が経っても柔らかな皮を目指した秘伝の生地らしい。
ふわふわとした皮が口の中で心地よい噛み応えとなる。
クニクニと奥歯で噛み締めれば更に甘味が口内に拡がる。

さてもう一方の主役たる餡はと言えば、
滑らかな舌触りと程よい水分を保持した丸い甘味の仕上がり。
度々引用する“おいしさの秘密”には“上盆低糖あん”とあり、
詳細は不明ではあるが甘さ抑え目という事は何となく伝わる。
粒餡でありながら漉し餡の様な滑らかさを醸し出す餡が、
その小豆の粒立ちもシッカリとしたままタップリ収まった結果、
柔らかな皮と滑らかな餡の融合した、
優しいたい焼きの出来上がりである。

一見すれば何処にも在りがちな姿のたい焼きも、
造り手が変われば其処に個性が生じてゆくモノである。
そんな事を痛感した交番脇のひと時。
警邏帰りのお巡りさんの視線を一針に浴びながら、
2尾目のたい焼きに手を伸ばす。

価   格○小倉 130円
住   所○東京都清瀬市元町1-2-7
営業時間○10:00〜21:00
       無休 
 
   
  
posted by EY at 22:10| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 清瀬市のたい焼き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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