東京のたい焼き ほぼ百匹手帖

2015年07月05日

横浜くりこ庵 品川店【品川@山手線】

     
 
たい焼きを買いに品川に来た。

中央改札を出て高輪口へ出る。
駅前にあるロータリーの向かって左手にあるのが、
京急のショッピングプラザたるウィング高輪EAST。
その地下1階にある FOOD MARKET の一画に、
「横浜くりこ庵 品川店」が出店している。

営業開始まであと僅かの正面玄関には、
既に開店を待つ人々が結構な人数いて人の垣根を造り出す。
其の横にある京急線の定期券窓口脇にポッカリ空いた、
ウィング高輪EASTの境目に陣取り開店までの数分を、
駅前の往来をボケッと眺めながら待つ。
そんな目の前を行き交う人々の手には、
場所柄か時節柄かキャスター付きスーツケースがあり、
ソレを引き摺って歩く人々が多く見受けられ、
其れが見た目の雑踏感を上回る喧噪を生み出している。
そんな四方八方でガラガラと騒々しい中に突っ立つ事約5分程で、
ウィング高輪EASTは開店時間の午前10:00を迎える。

デパート恒例の店員さんのお出迎えを受けて、
エスカレーターでもって地下1階へと降りて行くと、
壁際店舗以外は柱以外の視線を隔てる物が見当たらず、
頭上には白く柔らかな光が広がっている、
解放感に溢れた空間がフロアいっぱいに満ちていた。
何はともあれ先ずは視線の奥へと向かう。
そしてズンズン奥へ進んで行くと京急ストアが見えて来て、
結果その手前にある「横浜くりこ庵 品川店」へ辿り着く。

広い区画に設えられた店舗ブースは腰の高さ位に、
例の「横浜くりこ庵」ではお馴染みの、
丸っこくシンプルなたい焼きが数多描かれた電光が、
通路沿いの外壁に嵌め込まれぐるりと境界を形成する。
その外壁の上には帯状のガラスで仕切られていて、
奥には餡さしに入った状態の各種中身を、
買い物客へ誇示する様にズラリと陳列してある。
その餡さしの横に6連式の焼き型が5台並べてあり、
今は焼き型の前で男性店員さんが、
大量のたい焼きを次々に焼き上げている様子が窺える。
更に焼き型の横にはl字型で保温ケースが置かれいて、
その中には既に大量のたい焼きが並べられ、
発せられる熱気が保温ケースを曇らせている。
その保温ケースの前には通路に出て来た女性店員さんが、
買い物客のお出迎えをしては丁寧なお辞儀を繰り返している。
そしてその店舗ブースの背後では太い柱が聳え立ち、
其処にいささか小さ目の「横浜くりこ庵」の看板と、
併せて例のイラストが白く輝きを放ち掲げている。

梁の類がない開放的な店舗ブースは、
その設えからチョット見は宛ら宝石店かケーキ屋であり、
通路沿いに並んだ餡さしの陳列の仕方とか見ると、
其れっぽい雰囲気を醸し出そうとしている気配がアリアリである。
そんな圧倒的な清潔感と解放感をしばらくボケッと眺めていると、
通路でお出迎えをしていた女性店員さんと目が合う。
するとお辞儀を切り上げ足早に会計口へ引き返し、
再びコチラへ向き直り準備万端の面持で視線を向けて来たので、
その機敏な挙動と所作に応えるべく早速注文をお願いして、
先ずは代金を払いオレンジ色のスタンプカードを受け取る。

さて注文を済ませ一息ついた所で、
来店当初から視線の端に入り込んで来ては、
其の圧倒的存在感を誇示し続ける、
“京急電車焼き”なる商品の立て看板を眺める。
此方の商品は品川店限定の商品であるが、
似た様な電車の型焼きは大塚店でも販売されていて、
ソチラは“電車焼き”と銘打たれている。
つくづく「横浜くりこ庵」は電車が好きなのだなと感心しつつ、
まさかその為に京急のショッピングプラザで出店なのかと、
ゆくゆくは全ての私鉄を制覇するつもりなのかと、
その野望を勝手に邪推して勝手に戦慄を覚えている最中、
梱包を終えて女性店員さんに呼び出しを受け、
差し出されたたい焼きを受け取る。
長居の詫びと礼を済ませてそそくさと店舗を立ち去ると、
エスカレーター前エントランスで立ち止まり思案する。
さて何処でたい焼きを食べようかと思い巡らせた挙句、
開店待ちで立っていた定期券窓口脇へと向かう。

意気揚々と凱旋した先には先客が数名居たが、
その隙間に入り込んで荷を解く。
封を開けた瞬間に辺りを甘い香りが立ち籠めると、
その場にいたうちの子供等は過敏に反応を示す。
その視線を受け止めながら心の中で、

地下1階で売っているからお父ちゃんに買ってもらいなさい。

という念を送り続けながら早速1尾手に取る。

シッカリと焼き目が付いてはいるが、
シットリとした指触りが伝わる皮は王道の、
とはいえここ最近の薄皮流行りの影響で、
大手チェーン店に於いては見かける事が少なくなった、
ふっくらと分厚く焼き上がったパンケーキ系の生地。
そしてその分厚い皮の間、
特に頭と尾びれの先からは大量の粒餡が食み出している。
そんな豪快な造りのたい焼きへ早速齧り付いてみる。

柔らかくもシッカリと焼き固められた皮の表面は、
結構強いコシを発揮して噛み締める歯に対応してくる。
その歯応えはニシニシと密度が高い食感であり、
まさに“皮”と呼ぶに相応しい存在感を発揮している。
その“皮”の下層にはフカフカとした柔らかな生地が、
気泡をタップリと拵えた厚めの層を形成して、
其処から焼き立ての熱気と粉の風味を、
僅かに香る粉っぽさと酸味と共に口内へ発散する。

一方で皮に包まれているはずの粒餡は、
一口たい焼きに齧り付く度に何処かしらに空いた隙間から、
ニュルリニュルリと押し出される形で食み出してくる。
次々に現れる其れを急いで口で回収して行くと、
たちまちの内に口内はアズキの風味と甘味に支配される。
ネットリトした食感で舌に絡まる粒餡は、
多少外気に晒された所で失われる事が無い位の、
シットリとした瑞々しさとシッカリした熱気をはらんでいる。
その熱に苦心しながらも食べ進めては受け止めてを繰り返し、
サラサラ表面を撫でる様な舌触りと、
シャキシャキ繰り返される歯応えの、
その粒餡の醍醐味たるコントラストの妙を存分に堪能する。
やがて其処に尾びれに差し掛かった事を告げる、
カリカリという軽い歯応えが加わってきたので、
その残りの欠片を口に放り込んでガシガシ噛み砕く。

最後に残った粒餡の熱気を受け止めゴクリと飲み込み、
満ち満ちた気持ちで辺りを見回す品川駅の片隅。
周りにいた人は居らずただ独りの駅前で、
往来を眺めながら2尾目に喰らい付く輩の怪しさ哉。

価   格○小倉あん 126円
住   所○東京都港区高輪3-26-26
       京急ショッピングプラザ ウイング高輪EAST B1F
営業時間○10:00〜21:00
       不定休
 
   
  

posted by EY at 22:28| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 港区のたい焼き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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