東京のたい焼き ほぼ百匹手帖

2014年12月07日

鯛夢楽 エキュート立川店【立川@中央本線】

     
 
たい焼きを買いに立川に来た。

西改札を出て右に行けば立川駅南口のペデストリアンデッキに出る。
その途中のエキュート立川のメインエントランスは、
フロア表示では2階となっていて、
ソコから入って南改札前へ抜ける出入り口の手前に、
サザエ食品の「鯛夢楽 エキュート立川店」は確実にある。

サザエ食品の薄皮たい焼き専門のブランド名を掲げながら、
何故か公式ホームページでその存在が確認できないのが、
ココ「鯛夢楽 エキュート立川店」である。
猜疑心満載で訪れたエキュート立川店のフロア案内で、
その名前を確認して一先ずは胸を撫で下ろし、
後はただ開店時間を待つのみである。

エキュート立川店の2階で展開する、
“弁当・惣菜/スウィーツ”の開店時間は朝9時。
他の商品は未だしもたい焼きとなるとコレは“早朝”の範囲であるが、
エキュート立川店に引きずられて、
コチラの「鯛夢楽 エキュート立川店」も開店するらしい。

そしてメインエントランスに到着したのは朝9時10分前、
人っ子一人いないメインエントランス前に佇む。
何事も前もって準備をして余裕を持って行動しなさいと、
子供の頃から散々刷り込まれて来た成果であり、
まさに雀百まで踊り忘れずといった所である。
そんな客の存在に一瞬驚いた清掃のおじさんは、
直ぐに気を取り直し大きなガラス扉を磨く。
そしてお互いに目礼を交わし平静を装えば、
特に何事も無く時間と共に過ぎ去る。

そしてやって来た朝9時。
開店と共にお出迎えの店員さんの挨拶が始まるお馴染みの光景。
出迎える客は今の所一人。
その客は脇目も振らずに一直線で「鯛夢楽 エキュート立川店」へ。
黒く囲われた調理スペースの前に黒く囲われた商品棚を設え、
掲げた木製の看板にはしっかりと「鯛夢楽」と記されている。
そこに3名の店員さんが今も開店の準備に追われている様子で、
調理場とショーケースを行き来しながら何やら打ち合わせている。
そんな様子を間近で眺める客の存在に気が付く気配は無さげで、
その隙にのんびり商品棚を眺めると、
コの字型の角辺りに設えた立派な保温ケースには、
既に多くのたい焼きが焼き上がり整列状態で待機している。
その保温ケース上には更に小さな保温ケースが置かれ、
一回り小さな“パイたい焼”が並んでいる。
そしてメインの商品棚には開店直後とあって、
数々の大福や団子が目一杯並び積まれている。

十分に周囲も見回し切った所で店員さんに声を掛けると、
生き別れの父でも現れた様な顔を一瞬コチラを見た後、
やがて平常心を取り戻し平静な面持ちで接客を開始する。

まあその心境は判らないでも無い。
周りの店舗は今も商品の陳列や確認をしながら、
談笑などしている状態でそれ以前に先ず今の所、
このエキュート立川店2階で買い物客は一人、
その一人が朝9時の開店直後たい焼きを買いに来ているのである。
確信を持って言えるがこんな事は年間通じてそう起きる事では無い。
開店直後の“弁当・惣菜/スウィーツ”フロアに於いて、
真っ先に客が来たのがたい焼き屋なんてそりゃ驚くわなと慮り、
ココは店員さんへ精いっぱいの微笑みを返し注文をお願いする。

所が店員さんの動揺はそんな事では払拭出来なかった。
大いにぎこちない遣り取りが2名の女性店員の間で繰り広げられ、
その様子を見ながら気にしつつ調理場でたい焼きを焼き上げる、
男性店員の佇まいの据わりの悪さ加減の伝わり様。
その様子を傍目で眺める客はといえば、
若干の申し訳なさと大半のワクワク感に浸っていた。

やがてその動揺も静まり店舗ブース内が滞り無く流れる様になり、
通路を行く客の姿がポツリポツリと増え始めた頃、
袋詰めのたい焼きを客に差し出しながら店員さんが呼びかける。
すっかり平常運転になった様子の店員さんに会計を済ませ、
コチラも先ほどの友好的微笑みを継続して礼を述べ店を後にする。
そして来客に対してお辞儀を継続中の店員さんに見送られ、
南口の駅前に広がるペデストリアンデッキに向かう。

駅横を縦断する一本橋の先にあるモノレールの駅に見惚れながら、
早速袋を開けると中からは木の香りが漂う。
経木に挟まれたたい焼きを取り出すと流石「鯛夢楽」のたい焼き、
豪快な羽根がヒーローが首に巻くスカーフがなびく様に流れている。
その形状に頓着しない感じが「鯛夢楽」のたい焼きを象徴していて、
なので先ずはその惜しみなく纏わり付いた羽根の部分を頂く。

バリバリと豪快に音を発て大雑把に割れて行く羽根を口に押し込み、
ガリガリとクッキーの如く噛み砕いて行くが、
その傍らでバキバキ根元から折れていってしまう程に繊細な羽根は、
風貌に反して容易く軽快にザクザク粉砕してたちまちに消え果てる。
生地自体はほんのり甘くて香ばしい上に、
場所によっては薄く餡が挟まりその部分が別の焼き菓子となる。
そんなサクサクな生地なので本体部分も少しの衝撃で割れ始め、
生じた裂け目の中から湯気を発てて餡が顔を出してくる。

急いではみ出た餡を口で受け止めようと間直に迫った餡を眺める。
水分が少なめでボテリとした粒の立った餡が、
冬の朝日を受けてテカテカとした光沢を纏いツヤツヤに輝く。
そして含んだ口内でしっかりと甘味を万遍なく巡らせ、
全体でホクホクしながら一塊となり、
その後も続々と大量になだれ込んでくる。
喉の奥を何時までも回遊する濃厚なアズキの風味と甘さで、
これぞサザエ食品と云った具合の安心安定の粒餡を堪能できる。

後に残った羽根をサクサクと砕きながら再度ネット検索を掛ける。
やはり公式ホームページに名前が載っていないのだが、
よく見るとひとつの事に気付く。
何故か2店舗ある“セレオ八王子店”の片方にある「鯛夢楽」の表記。
もしかしたらこれが「鯛夢楽 エキュート立川店」ではと。

価   格○粒あん 140円
住   所○東京都立川市柴崎町3-1-1 エキュート立川 2階 改札外
営業時間○[月〜土] 9:00〜22:00
       [日・祝] 9:00〜21:00
 
   
  

posted by EY at 21:36| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 立川市のたい焼き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月30日

御もち屋 朝夕【西国立@南武線】

たい焼きを買いに西国立に来た。

改札を出ると駅前から伸びる道がひとつ。
左に折れて進んで行けば、やがて都道145号。
立川駅方面へ向かう。
南武線の踏切を越えた家具屋の向かいで薬局の横。
葦簾が下がった店先に真新しい“たい焼き”の幟。
粉をふき、退色した緑色の軒。
店名は「御もち屋 朝夕」とある。

店先には果物や乾物が陳列され、
至る所に品書きが貼られている。
但し店そのものの情報は無い。
軽食から酒類に至るまで豊富な品揃えで、
食品販売と軽食の店と言った印象。
週末の金曜日。
時刻は午前11時前。
こちらも真新しい紺の暖簾をくぐり、
さらに縄暖簾が下がる入口を開ける。

店内はまどろんでいた。
入口すぐ脇には保温ケース。
道に面した焼き台。
たい焼きも既に焼かれている。
一般的なたい焼き店のその奥。
一旦店の深部に目を遣ると、
そこには時間を超越した空間があった。

店内にお客は二人。
カウンターに妙齢の御婦人。
おでんをツマミに水割りを飲んでいる。
奥にある卓には白髪の高齢の紳士。
定食を食べ終え、静かにお茶を啜っている。

カウンターの壁にはウィスキーボトル。
その前に佇む、これまた妙齢の御婦人。
まさに『ママ』といった雰囲気で、
焼き上がり間近のたい焼きを仕上げ、
おかわりの水割りを作り、
帰路につく老紳士の会計をする。

まどろみに広がる圧倒的異空間。
水割りと定食。
午前11時と午後11時。
なるほど、だから「朝夕」なのかと、
勝手な理屈で納得して、
精神の均衡を取る事約3分。
たい焼きは焼き上がった。
おまけで冷えたたい焼きまで頂いて、
恐縮至極で店を後にする。

早速手に取るたい焼き。
大きい。
羽根というよりも“ドレープ”といった感じで、
豪快且つゆったりと余剰皮が周囲に踊る。
そして仄かに漂うクッキーの様な芳ばしい香り。
皮には若干の油分と罅が走る。

一口齧る。
皮の密度が高い。
粉の飽和状態。
粉同士の結束は脆いのでコシは少ない。
それでいてしっかり火が通っている。
ふと、ヨーロッパの硬いパンが思い浮かぶ。

中の餡はたい焼き的では無い潰し餡。
大福等の為に粘ったずしりと重い餡。
さっぱりした甘さが重量級の皮と良い相性。
ここで「御もち屋」の部分が見えてくる。
とは言え終ぞお餅は目にする事は無かった。

この様な個性的なたい焼きを生み出す空間が
病院や薬局に囲まれているのは、
ナニかを思わせて興味深い。
どこか良い体験をした様な気になり、
足取り軽く駅を目指す。
ちなみに立川駅からの方が道は判りやすい。

価   格○たいやき 100円
住   所○東京都立川市錦町1丁目17-13
営業時間○たいやきは11:00頃から
       土・日曜 定休
       


posted by EY at 22:44| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 立川市のたい焼き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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