東京のたい焼き ほぼ百匹手帖

2014年09月07日

ゑびす黄金鯛焼き本舗 国分寺マルイ店【国分寺@中央本線】

     
 
たい焼きを買いに国分寺に来た。

改札を出て右に折れた先は南口。
丸井とセレオ国分寺に挟まれた駅のコンコース。
その丸井の地下1階にあるのが、
「ゑびす黄金鯛焼き本舗 国分寺マルイ店」である。

午前10時、国分寺丸井開店。
入口での店員さんの挨拶に出迎えられて入店。
脇目も振らずに向かう先は地下1階、
西エスカレーターで下った先の“まるい食遊館”。

逸る気持ちで降り立ってみれば周りは生鮮食品の包囲網で、
見渡してもたい焼き屋と思しき施設は見当たらない。
踵を返して東側のセレオ方面へ進むと、
東エスカレーターが見えて来ると右手から漂う甘い香り。
香りの発する源を辿るべく進んだ先、
東エレベーター前に「ゑびす黄金鯛焼き本舗」を発見する。

若干光量の乏しいフロアの片隅は黄色い光が支配して、
その中に浮かんだ店舗の姿は何処か厳かとすら感じられる。
一間程のの店舗の先頭部に斜めに設えた会計口は眩い光に溢れ、
壁面には赤いゑびす様が鯛に跨り浮かんでいる。

店舗を取り巻く金と赤を基調とした装飾は、
通路に面した壁や店名を記した軒の看板に至るまで賑々しく、
看板にある“昇運”“招福”と記された大判や小判と、
大波に跳ねる黄金の鯛に至るまで実に御目出度い。

そんな店舗を遠巻きに眺めてハタと思い至る。
通路に面し開かれたガラス窓の店舗に対する比率や、
壁に貼られた品書きやポスターや柱に張り付いた旗印等の装飾が、
さながら小さなデコトラの様である事に。

まるで今にも走り出しそうな煌びやかな外装に反して、
店内は至って普通の調理場の造りで、
通路に面した窓ガラスに沿って焼き型がズラリ並んでいる。
そこに焼き上げ途中のたい焼きがチラホラと見受けられ、
奥ではおじさんが一人で開店直後の慌ただしさの中に居る。
早速注文の為に会計口へ寄るのと、
すぐさまおじさんが調理場から現れる。
急ぎ注文を済ませて商品が揃うまで暫しの間待つ。

会計口レジ脇の冷製たい焼きの品数は疎らで、
季節の変わり目を窺わせる趣である。
一方、それに打って変わるのが何故かソーセージのたい焼きという。
頃合い的に栗やサツマイモやカボチャの季節だというのに、
まさかのスイートチリソースを絡めたソーセージ。
「ゑびす黄金鯛焼き本舗」の戦略は中々に奇抜である。

そんな事を考えながら店舗周辺をうろつく事数分。
おじさんが商品の準備を終え会計口にやって来た。
会計を済ませて荷を受け取り礼を述べて、
きらびやかな店舗を後にする。

手にした袋からヒシヒシと感じる熱に煽られ、
フロアを彷徨い適当な荷台を探すも見当たらず。
ならばココは折しも肌寒い日和となった事を最大限に生かすべく、
外に出て荷の解放を試みる事にしようと、
もと来た道を引き返して西エスカレーターを上がり、
未だ客をお迎え中の店員さんの挨拶に見送られて退店。

南口のタクシー乗り場脇の石造りのベンチに陣取り、
タクシーの運転手や行き交う人々を横目に、
急いで荷を解放してたい焼き達を取り出す。

経木に包まれた上に箱に入れられた厚めのたい焼きは、
ミルクキャラメルの様な色艶の皮からホカホカと熱気を放つ。
手に取るとふんわりとした手触りで扱いに困る程に柔らかい。
焼き色から推測できるが外側に硬質感は皆無で、
たい焼きの皮と云うよりは表面を固く焼いたパンケーキと云った感じ。
身体の各々の面に“昇運”“招福”の文字を纏い、
ニッコリと微笑んでいるのはこの系列のたい焼きのお約束。
ふっくらとした体型も縁起が良い。

早速一齧り。
皮は甘味は少な目で粉の酸味が強く感じられ、
見たり触れたりした印象よりも皮自体の主張は感じられない。
しかし食感はさすがにフカフカとした歯応えで、
数度噛み締めて行けばその先はモチモチに行き着く。

その一方、中の餡は意外なほどに古風。
トロリとした舌触りで輝く艶を纏った粒餡は、
アズキの持つ独特のクセと甘味は抑え目でありながら、
アズキの風味と粒立ちは満載な仕上がりが秀逸。
その柔らかな食べ口と風味はその行動を抑制する事儘ならず、
あっと言う間に食べきってしまうのであった。

数分間の満足感に浸った後コンコースに戻ると、
既に店舗入り口には出迎えの店員は居ない。
“まるい食遊館”と言う呼称から丸井から入店したが、
「びす黄金鯛焼き本舗 国分寺マルイ店」へ行くなら、
セレオ国分寺から行った方が良い。
其れだけは後世に伝えたいと強く思いながら国分寺を後にする。

価   格○つぶあん 140円
住   所○東京都国分寺市南町3-20-3 国分寺マルイB1F
営業時間○10:00〜20:30
       無休
 
   
  
posted by EY at 21:50| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 国分寺市のたい焼き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月24日

ピーターパン恋ヶ窪ドイト店【恋ヶ窪@西武国分寺線】

     
 
たい焼きを買いに恋ヶ窪に来た。

改札を出たら左折して都道222号線へ。
さらに左折して踏切を渡って最初の右折路を行けば、
そこは農地を突っ切る舗装道路。
突き当たるまで進んで左折の後に右折しても、
さらに続く農地の中道を行く。
やがて見えてくる府中街道の角に見えて来るのが、
ドン・キホーテホームセンター恋ヶ窪店 。
その中に「ピーターパン恋ヶ窪ドイト店」はある。

ホームセンターの一画に佇むフードコートは開店時間前。
店舗周囲には数か所の飲食スペースがあり、
その数多の卓には疲れ切った様子のおじさんが数名、
椅子に身体を埋めてスポーツ新聞等を読み耽る。

それを見守る薄暗がりの店舗はぐるりと網で囲まれ、
通路に面した保温ケースを設えた会計口側に明かりは無い。
一方おやじ共が憩う飲食スペース側は調理場が一望出来て、
その店舗内ではおねえさんが一人黙々と焼きそばを焼いている。

やがて遅れてやって来たおにいさんが店舗周囲の網を外し、
店舗上部に掲げた「PETERPAN」の看板に明りが点る。
それに呼応して店舗を光が覆い周囲を照らし始めれば、
それが「ピーターパン恋ヶ窪ドイト店」営業開始の合図となる。

すると待ち構えていた様に方々からワラワラと客が集まる。
ショッピングセンターという場所柄、
それはジョージ・A・ロメロの世界の様。
その客達を僅か2名の人員で立ち向かって行く様も、
ジョージ・A・ロメロの映画を彷彿とさせる。

そんな事を考えながら購入者の列に並ぶ。
店舗の取り扱い商品は多種多様で、
粉物、焼物、麺類、丼物、飯物、氷菓等までに及ぶ。
その品数に圧倒され感心しながらも、
調理場に設えたたい焼きの焼き型を見る。

小倉を抱えて焼き型に数尾のたい焼きが横たわる。
保温ケースにはモダン焼きの銀の包みと数尾のたい焼き。
小倉の列には3尾。
前に並んだおばさんの順番になり5尾のたい焼きを注文。
店員のおにいさんは申し訳なさ気な説明によれば、
たい焼きの焼き型の熱の調整に時間が掛かる為、
焼き上がりまでは最大20分位は待つ事になるそうだ。
おばさんは暫く思い悩んだ末に了承して会計。

次いで順番が巡り同様にたい焼きを注文する。
同様の説明を受けるが即座に了承後、
会計を済ませて番号3番の引換券を受け取る。
先ずは20分の時間を潰す方法を考えるが、
幸いに暇を潰すのには全く困らない場所である。
併設されたスーパーマーケットにドラッグストア、
それにディスカウントショップをふらりと巡っても時間が余る。

ペットショップのケヅメリクガメを十分堪能した後、
フロア中央の吹き抜けの青いベンチへ。
その傍らでペット専用カートに乗せられ、
主人の帰りを待つ柴犬の後頭部を眺めながら、
残りの時間をやり過ごす事にする。
そして20分後。
満を持してやって来た「ピーターパン」の店先で、
高らかに呼ばれる引き換え券番号3番。
出来立ての甘い香りが零れる袋を受け取り礼を述べる。

一先ず先程の青いベンチに引き返すと少年が一人、
柴犬と親しげに触れ合いながら腰掛けている。
浮上せんばかりに回転する尻尾を眺めつつ、
その傍らのエスカレーター下に並ぶキャンプ用品と、
マネキンが横たわるハンモッグの脇でたい焼きを取り出す。

柔らかい皮に指が埋もれて、
焼き立ての熱が指を縦横から包んで行く。
熱さから逃れる為に縁の部分をつまむと、
今度パリッとしたバリの部分が指の腹に食い込む。
両極端の触感に立て続けで見舞われ、
アタフタと持ち手に苦慮していると、
ソコに今度は餡の加重と熱が伝わってくる。
見た目は平凡な色白のたい焼きだが中々の曲者である。
などと、ようやく手の中で落ち着いた姿を眺め思う。
先ずは一口。
薄い焼き目の食感を掻き消す怒涛の柔らかさが口内に弾む。
それに伴って甘い香りが口内を充満する。
紛れも無い動物性タンパク質の芳香が皮の中から漂う。
真っ先に思い当たるのはパンケーキ。
しかしそれは生地の質だけの話では無い。
皮の至る所に見受けられる厚い部分の色と断面の様子が、
まさにパンケーキの様である。

餡は中央部分にズシリとある。
尾びれ先までシッカリと詰まった餡を、
この手のたい焼きに求めてはいない。
背骨の様にしっかりと中央に納まっていればそれで良い。
皮と餡の分量は半々か若しくは皮の方が多いかも知れない。
だからこそのこの皮の食感が重要であり、
フワフワで軽い食べ心地の皮が重くならずに、
餡との絶妙のバランスを生み出す。

そうは言ってもこの餡も中々のモノ。
全体にネットリとしているが、
豆の感触もシッカリ残った滑らかで丁寧な造り。
甘さも食感も風味も全てひっくるめて、
小豆の餡である事の必要最低限の姿を保って、
総じて柔らかなたい焼きの中心にシッカリと存在している。

フカフカのたい焼きを食べ終える間際、
縁部分に突出したバリが軽やかな歯応えで砕けると、
口内を満たしていた空気を一変させる。
不意にサクサクとした食感が恋しくなって来て、
口寂しさも相まって自然と2尾目に手を伸ばしてしまう。
これは意外と魔性の性質を秘めたたい焼きなのかもしれない。

価   格○小倉 120円
住   所○東京都国分寺市東恋ヶ窪5-6-3
       ドン・キホーテホームセンター恋ヶ窪店
営業時間○11:00〜20:00
       不定休(ドン・キホーテホームセンター恋ヶ窪店に準ずる)
 
   
  
posted by EY at 22:25| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 国分寺市のたい焼き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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